医療機関の声

現場からのメッセージ vol.1

【vol.1】
広島赤十字・原爆病院
院長 古川 善也 先生

2011.03.10

広島赤十字・原爆病院は、広島市中区にある、30の診療科と健康管理センターをはじめとする各種センターと科からなる総合病院です。
健康管理センターでは、多くの企業の健診を請け負っております。
平成20年に導入された特定検診で、検診が検査値の異常等を発見していくものから、疾病予防を目的とし、各企業に対して、明確な目標設定がおこなわれ、結果に対しての評価がなされるようになりました。
また、分解酵素を持つ方であっても、有害物質の分解速度とは無関係に過度の飲酒の習慣がアルコール依存症の原因となる可能性があり、飲酒の量や頻度をコントロールする必要があります。

こうした時代の背景を受けて、生活習慣病予防ということは、国や企業の喫緊の課題となってまいりました。
生活習慣病を誘発する肥満や高血圧や高血糖は、特に遺伝子と密接なかかわりがあることが最近の研究で明らかになってきました。
生活習慣病において、自身の遺伝子のタイプを知った上で、予防に取り組むことは理にかなっていると言えます。
当病院では、2009年からイービーエス社の肥満遺伝子検査をオプションにて検診に取り入れ、テーラーメードの抗肥満指導を実施し、成果をあげております。
今後とも、最先端の研究成果に基づく、テーラーメード医療に取り組み、患者さま、企業の方の要望にこたえるべく、疾病予防に取り組んでまいります。

広島赤十字・原爆病院 中央棟3F(H28.7)

イービーエスの遺伝子検査サービスをどのように活用されていますか?

健康管理センターでは、健診コースのオプションとしてイービーエスの遺伝子検査を活用しています。
2009年に肥満遺伝子検査を導入し、この度、アルコール感受性遺伝子検査も導入いたしました。
例えば、現時点で血圧や脂質、血糖値等に異常がなくても、遺伝的に糖尿病のリスクが高い場合、早い段階から運動や食事などに注意し、肥満を予防する必要があります。
また、アルコール感受性遺伝子では、ALDH2の活性が低いと「食道がん」の発症リスクが高くなりますし、ADH1Bの活性が低く、ALDH2の活性が高い場合は、特に「アルコール依存症」のリスクが高くなる場合があります。

当健康管理センターでは早目に体質を調べることにより、その方に合った適正な指導をし、さらに院内各科とも連携することで、さまざまな観点から、健診を受けて頂く皆様の健康管理および健康増進のお手伝いをしております。


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