| ADH1B遺伝子:Arg/Arg型, ALDH2遺伝子:Glu/Glu型 [11型] |
| 飲酒しても顔が赤くなりにくい「低感受性ノンフラッシャータイプ」です。ADH1B活性が低活性であるため、アルコールの分解速度が遅く、アルコールの体内滞留時間が長いために、神経麻痺状態、すなわち、ほろ酔い気分が長く続きます。そのため、飲酒を繰り返すことで、アルコールに対する耐性や依存性が発生しやすく、大酒家になりやすいと言えます。ADH1B活性が低活性であること、およびALDH2活性が高活性であることは、それぞれ独立のアルコール依存症発症危険因子であることがわかっており、最もアルコール依存症に気をつけなければならない遺伝子タイプであると言えます。よって、このタイプの方で、現在アルコール依存症ではない場合、何よりも日頃から節度ある飲酒(節酒)を心掛けることが重要です。特に、40歳以上で、日常のいらだち事が多い方は、統計的に問題飲酒行動を起こしやすい傾向があり、アルコール依存症への移行率が顕著に高いので、該当者は日頃の適切なストレスマネジメントが重要です。アルコール依存症患者では、3人に2人の頻度で突然死が発生し、その平均年齢は男性が52.1歳、女性が49.6歳です。しかし、この突然死は、完全断酒により抑制でき、アルコール依存症では、現時点において完全断酒が唯一の突然死予防策となっています。また、男性において、ADH1Bが低活性または中活性であることは、ADH1Bが高活性タイプの人に比べ、血管性痴呆の原因とされるラクナ梗塞に2倍以上なりやすいことがわかっています。このタイプの男性は、特に、血圧および血中コレステロール値に日頃から注意を払い、正常範囲に維持されるようコントロールすることが重要です。 |